大判例

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長崎地方裁判所壱岐支部 事件番号不詳 判決

主文

被告人梁斗容同裵鳳煥を各懲役壱年に、被告人青石道義同米田昇を各懲役八月に被告人花田虎太を懲役六月にそれぞれ処する

本裁判確定の日から三年間右各刑の執行を猶予する。

司法警察員の押収にかかる別紙目録第一号乃至第三五五号の貨物はこれを被告人等五名に対し同領置にかかる同目録第三五六号乃至第三五九号の貨物はこれを被告人青石道義に対しそれぞれ没収する。

理由

第一、被告人等五名は外一名と共謀の上税関の免許を受けないで貨物を機帆船に積載して長崎県壱岐島周辺洋上え運搬し同所にて被告人裵鳳煥の管理する運搬船千代福丸(約六トン)え積換へ同船で韓国向け輸出しようと企図し昭和二十九年一月十五日福岡市築港魚市場岸壁で機帆船幸栄丸(約二〇トン)え被告人梁斗容等所有の別紙目録記載の一号乃至三五五号の(貨物六十八梱包)を積載し翌十六日被告人米田がこれに乗船して同所を出航したがその後前記千代福丸は福岡市水上警察署員並に福岡海上保安部員の臨検を受けたため右企図発覚の虞があり出航を延期したので被告人米田は右幸栄丸を長崎県壱岐郡箱崎村瀬戸浦に入港させて同船に前記貨物を積載のまま前記瀬戸浦に滞船させ右千代福丸の来航を待機し

第二、被告人青石道義は税関の免許を受けないで別紙目録記載の三五六号乃至三五九号の貨物を第一記載の千代福丸で韓国え輸出する目的で同月十七日前記貨物を携帯して福岡市から長崎県壱岐郡田河町芦辺に来て同所田口旅館に右貨物を置き前記千代福丸の来航を待機し

いづれも密輸出の準備をしてその機会を窺つていたものである。

(証拠説明は省略する。)

法律によると被告人等五名の判示第一の所為及び被告人青石道義の判示第二の所為はいづれも関税法附則第十三項改正前の関税法第七十六条第二項罰金等臨時措置法第二条になお第一の所為は刑法第六十条に該当するところ右懲役刑を選択し被告人青石道義の判示第一第二の所為は刑法第四十五条前段の併合罪であるから同法第四十七条第十条に則り犯情重い判示第一の罪の刑に法定の加重をなし各その刑期範囲内で主文第一項記載の刑を量定処断し刑の執行猶予について刑法第二十五条を適用し司法警察員の押収にかかる別紙目録記載第一号乃至第三五五号の物件は被告人等五名の判示第一の関税法違反の犯罪にかかる貨物であり被告人梁斗容の所有にしてその余の被告等の占有にかかり同目録記載第三五六号乃至第三五九号の物件は被告人青石道義の判示第二の同法違反の犯罪にかかる貨物であり同被告人の占有にかかるから関税法附則第十三項改正前の関税法第八十三条第一項に従つて各これを没収する、訴訟費用の負担については刑事訴訟法第百八十一条第一項但書を適用する。

よつて主文の通り判決する。(昭和三〇年九月二三日長崎地方裁判所壱岐支部)

(別紙目録は省略する。)

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